くすの木 11月号
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〜中部エリアくみかつスタッフおすすめ〜らも来られるようになって、だったらドリンクぐらい出したいよねってカウンターを作ったら、金曜日のバーが始まって。いろんな人が集まるアートスタジオ「ボンドバ」となった今、カフェや貸しギャラリーなども併設しています。 移住したタイミングで地域づくりにも参加するようになり、現在取り組んでいるのが「多久市ウォールアートプロジェクト」。中心市街地の店舗シャッターや壁に、いろんな作家が大きなウォールアートを描き、まちなかに明るさと賑わいを生み出す取り組みです。私たち夫婦にとっては、縁もゆかりもなかった多久ですが、二人の子どもたちにとっては大切なふるさとです。子どもたちが誇りに思えるような町になるよう、地域貢献につながる事業にも積極的に取り組みたいと思っています。食堂(子ども食堂)や認知症予防カフェを開いています。作業療法士でもある妻が、認知症への理解や情報交換の場として企画したもので、ボランティアの方々にも協力してもらっています。実は、ボンドアートの体験を認知症の予防などに生かせないかと科学的な分析も行っています。大人はよく「私には絵心がないから」と言いますが、子どもの頃、純粋無垢に絵を楽しんで描いていた行為こそが絵心。本来誰もが持っているからこそ、上手い下手ではなくて自由に楽しんで欲しいんです。 夢は、世界一影響力のある画家になって、日本の精神医療福祉の分野と地域社会にアートの力で貢献することで、将来的にはデイサービスなど施設の開設も目指しています。アーティスト活動のかたわら、どうすれば地域の課題を解決できるか考え続ける日々。その一歩として、このボンドバが子どもから大人まで、年齢を問わず誰もが気軽に集まれる居場所になったら嬉しいですね。〈インタビュー:中部エリアくみかつスタッフ/文責:福地〉Art studioボンドバ多久市北多久町小侍703-21  TEL:0952-97-5458 ボンドバ内にアートストア、カフェ、 スタジオ、ギャラリー2画家 冨永 ボンド1983年、福岡市生まれ。多久市在住。世界で唯一、ボンドを使って絵を描く画家。アトリエ「ボンドバ」を拠点に、フランス・パリやニューヨークなど海外のギャラリーとも契約する“グローカル”アーティスト。アートな町おこしプロジェクトを手掛ける傍ら、即興絵画パフォーマンスや壁画創作、医療とアートをつなぐアートセラピーなど幅広い分野で活躍。キーフレーズは「アートに失敗はない!」。ボンドアートカフェみんなの100円食堂の様子作品のモチーフはすべて“人間” 木工用ボンドで初めて絵を描いたのは26歳のとき。音楽イベントでライブペイントをやることになり、人と違ったことをしたい、意外性のある画材を使いたいと思ったのがきっかけです。学生時代に家具のデザインを学び、家具メーカーで働いていたことから、ボンドは自分にとって身近なものでした。専門的に美術を学んだわけではないので、色と色の境界線を黒のボンドで立体的に縁取るくらいしか思いつきませんでしたが、ライブペイントで大きな板やキャンバスを立てて描いてると、自然にボンドが垂れてきてカッコいいなって。ボンドに黒い水性絵の具を混ぜて着色しているのは、音楽が好きでブラックミュージック(HIPHOP)にちなんだものです。 ボンドアートの創作テーマは「つながり」です。人と人、人とアートをつなぎ、絵を自由に楽しんで描く作業の大切さを、より多くの人に伝えることが社会的な役割だと思っています。なので、作品のモチーフはすべて人間。ライブペイントにこだわっているのも、作品を仕上げていく空間をたくさんの人と共有できるから。人とのつながりのなかで進化していったのがボンドアートなんです。子どもたちが誇りに思うふるさとに 多久に移住したのは9年前で、転職と結婚がきっかけです。アトリエも構えたかったので広い敷地を探していて、ちょうどいい物件に出合いました。アトリエをオープンしたら、作品を見るために県外か夢は世界一影響力のある画家になること ボンドバでは月に1度、みんなの100円アートの力で人と人をつなぎたいアートの力で人と人をつなぎたい

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