くすの木 12月号
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 夫が担当していたガラス彫刻は手作業によるサンドブラスト加工で、自分でデザインした絵柄をガラスに転写させ、カッターナイフで型切をし、彫りの浅深で立体感を出していきます。その腕は確かで、仕事は早いし綺麗だし、昔は大きな仕事も結構ありましたね。佐賀市の日新公民館に設置されている、反射炉を描いたガラス彫刻もその一つです。夫は6年ほど前に仕事を引退しましたが、ガラス彫刻の技術を娘が受け継ぎ、会社勤めをしながら一緒に工房を切り盛りしてくれています。 ちなみに、工房名の由来は島根県の方言で「ありがとう」の意味の“だんだん”。多くの方々と談笑し、腕は段々と、皆様の笑顔にダンダン(ありがとう)の想いを込めています。ますが、完璧なものができたら人間おしまいよって。完璧じゃないから、またトライしようという気持ちになれるし、そもそも100%完璧なものなんて機械みたいでつまらない作品になっちゃいます。 佐賀にはステンドグラスをやっている人が多く、展覧会などで他の方の作品を見るのは勉強になるし、刺激も受けます。夫が現役のときから2年に一度、夫婦で展覧会を開いていて、今は娘との親子展に。今年9月に生徒さんたちの作品展との合同で14回目を開きましたから、次回は2026年です。結構あっという間にきちゃうので、次の展覧会に向けてすでに動き始めています。作品づくりとは別に、ご要望があればオーダー品にも対応していますので、どうぞお気軽にご相談ください。ガラス工房ダン・ダン 佐賀市伊勢町8-22 TEL:0952-23-5716〈インタビュー:坂本/文責:福地〉Instagram2ガラス工房 ダン・ダン 川浪洋子さん 清水愛さん東京のガラス彫刻会社に勤めていた川浪政人さんが独立し、妻・洋子さんと共に佐賀へUターン。1983年、佐賀市伊勢町にガラス工房「ダン・ダン」を設立。1996年、洋子さんがステンドグラスの教室を開講。現在は長女・愛さんも一緒に創作活動を行っている。ダンダン検索「うららか」“ありがとう”の想いを込めて 創業40年以上のガラス工房「ダン・ダン」では、ガラス彫刻とステンド、フュージングによる作品づくり、ステンドグラスの教室を開いています。もともとは、東京でガラス彫刻職人をしていた夫が中心でしたが、娘が高校生になった頃に7年間かけてステンドグラスの技術を習得。私も創作活動をはじめ、講師として30年近くステンドグラスを教えています。自由に作品が作れる      ステンドグラス教室 ステンドグラス教室に通われている生徒さんは、現在30名くらいです。私は気が早くて言いたいことを言う性格だから、合う人しか来ない(笑)。年代は40代から70代後半まで幅広く、なかには20年以上通われている方もいらっしゃいます。ガラスの扱いに慣れてもらうために、最初はおやすみライトなど決まったものをいくつか作ってもらいますが、その後はご自身が作りたいものを自由に作れます。教室によっては、決まったものしか作れないケースもあるようですが、それだと面白くないですよね。自宅用としてだけでなく、大切な人へのプレゼントとして作られる方も多いです。 ステンドグラスの魅力は、やっぱり夢中になれること。生徒さんたちも、教室の2時間半があっという間だと言われます。専用のカッターでガラスを切るのを、みなさん最初は怖がられますが、慣れてくると早くできるようになるし、まっすぐ切れると気持ちがいいですよ。夫婦から母娘の二人展へ 私の作品には幾何学模様が多く、丸が永遠のテーマです。シンプルがゆえに難しさはありますが、弾むようなリズムのある作品が好きです。生徒さんにもよく言って2年に一度の二人展が創作意欲を刺激2年に一度の二人展が創作意欲を刺激

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